68年5月27日:シャルレティ・スタジアムの集会

第二の「バリケードの夜」のあとほどなく、27日には、諸労組・経営側双方の代表のあいだで「グルネル合意」が暫定的に成立する。最低賃金の35%アップをはじめとする労働者の賃上げと、労働組合の権利拡大を柱とする合意である。しかし、この合意について意見聴取を試みたCGT執行部に対し、ブーローニュ=ビヤンクールのルノー工場を筆頭に、主要下部組織はストライキと工場占拠の継続を選択。「全面的勝利までストを続行しよう」がスローガンだった。ふたたび警察の弾圧に直面した学生たちも、ソルボンヌ占拠やカルチエ・ラタン闘争を止めない。ただし政府からも、共産党系組織からも、一般からも上がった学生たちの暴力闘争に反対するキャンペーンは、運動内部に綻びを生みつつあるようだった。

27日に開催されたシャルレティ・スタジアムの集会は、<68年5月>の高揚と分裂、そしてその高揚をいかに政治的革命に結びつけるかの困難を一挙に提示するもののように思える。UNEF、FEN、SNESup、PSUが呼びかけたこの集会に、CFDTは参加するが、共産党とCGTはボイコット。3月22日運動も組織としては不参加を決める。とはいえ、パリ5区ゴブランから出発して13区西端のシャルレティ・スタジアムに至るデモも、3万人超を集めたスタジアムでの集会も、きわめて熱気に満ちたものであったことは、その場に居合わせ、参加者が駆け回るスタジアムの情景を活写する西川さんの記述からもうかがえる。当日、UNEFのソヴァジョが発した「これはまだ始まりにすぎない。戦いを続けよう」という文句は参加者に繰り返し唱和され、CGTと共産党を脱退してPSUに加わった元CGT幹部アラン・バルジョネは、「革命は可能だ。しかし我々の組織化を急がねばならない。いますぐにだ」とぶち上げたらしい。

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